さまざまな事例などを交えながら、互換インクの品質について考察しています。また、その良し悪しを判断する方法などを紹介します。
互換インクの品質は、手がけているメーカーによって、実に千差万別です。
「純正とほぼ同等」というものから「純正とは色や仕上がりが違い過ぎる」というものまでピンキリというのが実際のところ。そのため、互換インクすべてが低品質と決め付けてしまうのは早計です。
よくあるケースとして、互換インクは品質が心配という先入観から、本来は互換インクが原因ではないトラブルでも、互換インクが原因と決めつけられてしまうといったケースも多々報告されているそうです。
例えば、インクのカートリッジをプリンターにセットする際、カートリッジに貼り付けられているテープをはがすのが一般的ですが、ユーザーがはがし忘れていて印刷できなかったのを、互換インクの品質のせいと訴えてきた例があったそうです。
もちろん純正インクでも、テープをはがし忘れていては、正しく印刷はできません。
また、印刷面のかすれなどを互換インクの品質のせいとするクレームも多いそうですが、実際にはヘッドやノズルのクリーニング不足が原因であるケースがほとんどとのこと。
さらには、ICチップの形状が純正品と異なるという指摘も多いそうですが、これも特許などの問題に抵触しないようにそうしているそうです。
良心的な互換インクメーカーであれば、きちんとプリンター実機を用いた動作確認などをおこなっています。
しかしながら、その一方で、互換インクの中には品質が低いものが存在するのも事実です。その見分け方は、なかなか難しいところです。一番確実なのは、実際にその製品を試してみることですが、なかなかそうもできないことでしょう。
見分けるポイントとしては、純正と同じ種類のインクを使っているかどうかが目安と言えます。
プリンタのインクには大きく分けると顔料インクと染料インクがあります。前者は耐水性、耐久性、耐光性等が優れ水に濡れた場合などでも文字などがにじみにくい性質があります。後者は水濡れなどにはさほど強くありませんが、写真などを色鮮やかに美しく高精細にプリントできる性質があります。
各社のプリンタは、使用するのは顔料インクか染料インク(あるいは両者の複合的なインク)などが明確になっています。
例えば、エプソンは顔料インク機種と染料インク機種がハッキリ分かれていますが、ブラザーは複合的インクの機種がメインといった具合です。言うまでもなく、顔料インクプリンターに染料インクを使用しているようなメーカーは論外です。
逆に、優れたメーカーであれば、プリンター本来のインクに加え、より高精細さを重視したものや、より耐水性、耐久性、耐光性を重視したものなど、ユーザーのより幅広いニーズに合わせた選択肢を用意しているところもあります。互換インクメーカーとしての技術力を測る尺度になるでしょう。
もうひとつ、互換インクでも、不良品の場合は交換・返品・返金をするなど、品質保証を実施しているメーカーなら、信頼度は高いと言えるでしょう。