プリンターを利用するにあたって、多くの方を悩ますインクのコスト問題。プリンターインクを安く買いたいのであれば知っておくべき互換インクの基本知識をご紹介します。
互換インクとは、サードパーティと呼ばれる業者が独自に、それぞれのプリンター向けに発売しているインクになります。
プリンターインクといえば「プリンターを製造・販売しているメーカーによる純正品を買うべき」だと、多くの方が認識しているのではないでしょうか。しかし、こういった純正インクは決して安いものでなく、コストがどうしてもかかってしまいがち。
互換インクは、純正インクよりも安く、純正品と同じように機能するところが大きな魅力となっています。
ヘッドクリーニングは、プリンターが目詰まりした際にインクを流してノズルにある不純物を流して取りだして問題を解決する方法です。大量のインクを流すことになるため、すぐに新しいインクを購入しないといけません。
純正インクは品質は確かですが、価格が高いぶんヘッドクリーニングしづらいもの。純正インクを数回交換した場合、プリンター1台を購入できるほどの価格になってしまいます。
対して、互換インクは純正インクに比べて価格が安くて、定期的にヘッドクリーニングを行ってもお財布に優しいのが魅力。定期的なメンテナンスをすればプリンターが壊れる前に問題を解決でき、修理費や買い替えなどの出費をおさえられるでしょう。互換インクは純正インクに比べて品質は落ちますが、互換インクの中でも品質の高い製品を選べば故障する可能性は低くなります。
コストパフォーマンスに優れている互換インク。価格が高い純正インクとは、実際にどのくらいの差があるのでしょうか。同型番のインクカートリッジを例にあげ、代表的な互換インク販売店での価格と純正インクの価格を比較してみました。
エプソンIC50・6色セット | ||
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メーカー純正品 | 互換インク | |
6,721円 | 1,018円 (こまもの本舗) |
2,300円 (インク革命) |
キヤノンBCI-326/325・6色セット | ||
メーカー純正品 | 互換インク | |
6,105円 | 1,100円 (こまもの本舗) |
1,080円 (サンワダイレクト) |
ブラザー・LC12・4色セット | ||
メーカー純正品 | 互換インク | |
4,642円 | 1,018円 (こまもの本舗) |
1,780円 (インク革命) |
※2019年11月28日時点の情報
上記を見てもわかるように、互換インクは純正品より50~80%ほど安く購入することができます。大量にプリンターを利用される方はもちろん、数回の印刷でも、この差は大きいと言えるでしょう。
薬局や病院では薬を処方する際に、薬の成分などを記載した処方箋(しょほうせん)を印刷します。
処方箋は毎日のように印刷するもので、インクの使用量も多くなるため互換インクを使用したほうがいいでしょう。処方箋の色を気にする人は少ないですから、価格の安いインクを使用したほうがコストパフォーマンスも良いと言えます。
プレゼン資料や営業資料は、たくさん用意する必要があるため、互換インクの使用をおすすめします。
また、塾は宿題のプリント課題、学校なら保護者への周知のための手紙を印刷するので、インクの使用量が多くなります。毎日のように印刷する機会があるため、安い互換インクを使用したほうが良いでしょう。
個人経営をしている人は、お店の宣伝のためにチラシを印刷して配るはずです。その時にカラフルなチラシを印刷すれば、お客さんの目を惹くことができます。
しかし、大量のチラシを作らないと集客効果は望めませんし、そうなると必然的にインクの使用量も多くなるでしょう。コストを削減するなら、価格の安いインクを使用がいいです。
年賀状や招待状は、互換インクを使用して自作すると費用をぐんと抑えられます。年の瀬でお金を使いたくない方、結婚式の準備費用をおさえたいという方には互換インクがおすすめです。
印刷業者に依頼して年賀状や招待状を作成する方法だと、自作するよりも費用が高くなってしまいます。これは、プロが作成するので高品質な仕上がりとなるため。年賀状や招待状などは数十枚、数百枚と印刷することになるため互換インクを使って印刷代を抑えましょう。
また、特別感やオリジナリティを出すためにカラフルなデザインにしたい場合も、互換インクなら値段が安く済みます。そのため、こだわりを広げることができるでしょう。デザインに妥協することなくオリジナルの年賀状や招待状に仕上げたい人にピッタリです。
仕事で原稿を印刷することが多いため、インクの減りが早くて困っていました。純正インクは値段が高いので、交換する度に痛い出費…。このままじゃマズいと思い、試しに互換インクを使用してみたんです。純正インクと比べて色合いが変わるかなと不安でしたが、見た感じはほとんど変わりませんでした!今まで購入していた純正インクの5分の1の値段で購入できたので、コストパフォーマンスも良いです!
今までに何度も互換インクを使用していますが、特に大きな問題なく印刷できています。互換インクは純正インクと比べて質が落ちると言われていますが、実際はそんな大きな差はないので、気にしたことは少ないです。前に一度、セットしてエラー表示が出たことがありますが、一度取り外してからセットし直したら、通常通り稼働していました。私も最初は不安だったので、万が一壊れた場合のために、保証やすぐに交換してくれるなどのサービスがあるショップで購入しています。
年賀状をプリンターで作ろうと思っていたんですが、純正インクの値段の高さにびっくりしました。滅多にプリンターを使用しないので、わざわざ高いインクを買うのに抵抗があったんです。そこで、値段の安い互換インクを買ってみることに。実際に印刷してみたら、純正インクとの違いが分からないくらいキレイな年賀状ができました!来年も互換インクで年賀状を作ろうと思います。
互換インクはさまざまなメーカーから販売されているため、安さや品質の違いもまちまち。どれを選ぶべきか迷ってしまいますよね。
そこで、インクカートリッジを賢く選ぶため、各メーカーの互換インク情報を徹底的に比較しました。
インク型番やプリンター型番、安さなどから互換インクを探せるよう一覧表にまとめているので、ぜひインク選びの参考にしてみてください。
各メーカーのインク型番やプリンター型番から探す!
互換インク大特集はこちら
プリンターのインクは顔料インクと染料インクの2種類に分けられ、印刷をしたときの仕上がりに違いがあります。互換インクを選ぶときは、用途によってインクの種類を選ぶと綺麗に印刷できます。
顔料インクはインクの粒子が大きく、紙の表面にくっつくのが特徴です。用紙の奥まで浸透しないため、にじみにくく鮮明に印刷されます。
染料インクは粒子が小さく、インク同士が馴染みやいのが特徴。紙の中までしっかりインクが浸透してくれます。耐水・耐光性は顔料インクよりも低めです。
各種メーカーから、さまざまなプリンターが販売されています。互換インクを購入するときは、インクの品質だけでなく、メーカーとの相性・特性もチェックしましょう。
EPSONのプリンターは写真の印刷が美しいと言われています。EPSONプリンターで写真や画像を多く印刷したい方は、染料タイプの互換インクを選びましょう。
CANONのプリンターは、写真と書類どちらの印刷にも適しています。メンテナンス機能が豊富なので、比較的長持ちするのが魅力。CANONは顔料タイプの純正インクが多いので、互換インクも顔料タイプを選ぶと良いでしょう。
brotherのプリンターはコスパの良さが魅力です。色の濃淡を調節する機能もついているので、染料タイプの互換インクを使うのがおすすめ。インク同士が馴染みやすいため、クリアで美しい発色のグラデーションを印刷できるでしょう。
互換インクを使用する際、失敗やトラブルを防ぐために気をつけたいポイントをご紹介します。
品質の悪い互換インクを使用すると、目詰まりや故障などが起こりやすいもの。
トラブルを避けたい方は、無料交換サービスや保証などを設けているショップで互換インクを購入することをおすすめします。
互換インクは純正インクと比較すると印刷の質が落ちる傾向にあります。そのため、いきなり大量印刷するとミスプリントが大量発生する可能性が。
余計な出費を増やさないためにも、事前に試し刷りをして印刷の状態を確認しましょう。
互換インクにはおおよその使用期限があります。期限を過ぎるとインクが乾いて固まり、ノズルが詰まったり印刷するとスジが入ったりする可能性が。故障を防ぐためにも正しい保管期間と保管方法を知っておきましょう。
使用していない互換インクは、正しく保管すれば純正インクとほとんど同じ期間(約2年)使用できます。
正しい保管方法は、変色や劣化を防ぐために高温多湿の場所で保管しない、直射日光によるダメージを避けるよう窓の近くに置かないなど。
また、カートリッジに取り付ける向きと逆さまに保管してはいけません。インクがカートリッジ内で偏ってしまい、インクが出にくくなるためです。
互換インクの封を開けた後の使用期限は約半年です。半年以上たつとインクが乾燥してしまうので、早めに使いきりましょう。
普段あまりプリンターを使用しない人は、定期的にノズルチェックやヘッドクリーニングを行うことで目詰まりを防げます。
ただし、ヘッドクリーニングはインクを大量に消費してしまうため、やり過ぎないほうが良いでしょう。
インクだけでなく、プリンター本体の保管方法にも注意してください。
プリンターは設置方向を考えて製作されているので、なるべく平らな場所に置くのが理想。立てたり逆に置いたりすると精密機械部分に負担がかかり、互換インクのICチップを読み込めなくなる恐れがあります。
互換インクは価格が安いため、まとめて購入する人が多いですが、大量に購入しても期限が切れて使えなくなっては意味がありません。インクの使用期限とプリンターの使用頻度を踏まえたうえで互換インクを購入して、正しく保管しましょう。
互換インク開封からセットするまでの流れは以下です。
互換インクを開封前に、インクが漏れた場合に備えてペーパータオルか新聞紙を引いてから開封します。ティッシュはインクを拭き取る際に使用します。
保護フィルムは、互換インクが落ちないように剥がしてください。落下した際にインクが漏れる恐れがあるので気をつけましょう。互換インクのメーカーによっては、保護フィルムがない製品もあるのでこの手順を飛ばしてください。
互換インクには黄色かオレンジ色のテープが貼ってあります。このテープは空気穴を塞いでいるもので、綺麗に剥がさないとインクが出なかったり、カートリッジにセットしても印刷できなかったりします。
これは、テープのノリが残ってしまい、空気穴が塞がったままになるからです。製品によっては黄色いテープがない場合があるので、そのまま次の手順に進みます。
テープを剥がす時はインクが飛び出さないように、カートリッジの側面を強く抑えないようにしてください。また、外の気温によってカートリッジの温度が高くなると、内部の圧力が高くなりテープを剥がすとインクが飛び出す可能性があります。そのため、届いたばかりの互換インクは時間を空けてからテープを剥がすようにしましょう。
※エプソンやブラザーの互換インクは透明なフィルムがありますが、このフィルムは、プリンターにセットした際に破れるようになっているので絶対に剥がさないでください。これはインクの吐出口となるため、剥がすとインクが漏れてしまいます。
互換インクについているオレンジ色のストッパーを外してください。このストッパーは、カートリッジを固定するための爪が折れないように保護する役割をもっていて、外さないとプリンター本体に装着できません。ストッパーを外さずに無理やり取り付けようとするとプリンターが壊れてしまうため注意しましょう。
キャノンの互換インクには、オレンジ色のホルダーがついています。このホルダーはインクの供給口なので、ホルダーを上向きにしてから開けないとインクがこぼれてしまいます。もともとストッパーやホルダーがついていない製品はそのままプリンターに取り付けられます。
インクの装着部分に用紙の切れ端やホコリが詰まっていることがあります。そのため、カートリッジにもともと装着していたインクを取り外して、ティッシュや綿棒などの柔らかいもので拭いてください。
プリンタ-のインク挿入口に、互換インクを「カチッ」という音がするように押し込んで終わりです。場合によっては、取り付ける際に他の色のカートリッジが外れることもあります。その時は他の色を抑えて、外れないようにして押し込んでください。
複数のインクを同時に交換する場合、手順通りに互換インクを取り付けてもプリンターに認識されない場合があるため、1色ずつ交換してください。
1色ずつ交換してもエラーが出る場合は、次の対応を試してみてください。
これらの対応をしても、解決しない場合はプリンター本体かカートリッジに問題があると考えられるため、メーカーに相談しましょう。
新しい互換インクをセットしたのに、インクの残量が少ないと表示されることがあります。これは、プリンターの残量検知機能(インクカートリッジのインクの容量を知らせる機能)の問題です。
残量検知機能はカートリッジの中身ではなく、インクに搭載されているICチップを読み込んでインクの容量を知らせる機能。残り何枚印刷可能か設定されたICチップが搭載されており、印刷可能な枚数に近づいた際に「インクの残量が少ない」とプリンターに表示されます。
互換インクを使用した際にインクの残量が少ないと表示される場合、ICチップが認識されていない、またはICチップの情報がリセットされていないと考えられます。
互換インクのICチップが認識されない場合は、本体とICチップが上手く接触できているか確認するため、一度プリンター本体からインクを取り外してから再度セットします。そのほか、プリンター本体の電源を入れ直した後、ICチップについた汚れを落としてから、もう一度セットする方法も有効です。
残量検知機能に対応している互換インクを選びましょう。また、プリンター本体の設定を変えることで、互換インクを使用できます。
その方法は、「インク残量検知機能」を無効にすることです。設定方法はメーカーやプリンター本体の型番によって異なるため、取扱説明書を読んで設定してください。
互換インクについていろいろとおすすめしましたが、中には互換インクを使わないほうがいいケースもあります。次のような人達は純正インクの使用がおすすめです。
半年以上プリンターを触らない場合、プリンターやインクの保管状態によっては目詰まりや故障などのトラブルが起こる可能性があります。そうなると、プリンターや互換インクを点検しないといけません。
互換インクはさまざまなプリンターに対応する目的でつくられているため、耐久性にこだわっている製品は少ないもの。印刷してから半年程経つと色褪せることがあります。最近では、色褪せに強い互換インクもありますが、純正インクと比べると質は落ちてしまうため、印刷の色味に強いこだわりがある方は純正インクを使用したほうが良いでしょう。
「純正インクじゃなきゃ綺麗な写真が印刷できない!」というのは昔の話。互換インク=安かろう悪かろうではありません。家電量販店で互換インクをオススメする店員さんがいる、保証つきの互換インクが流通していることからわかるように、近年流通している互換インクの中には純正インクの印刷レベルと変わらないものも登場しています。互換インクは毎月のインク代を半分以下に抑えられるので、日常的にプリンターを使用している方はかしこく利用したいところ。
しかし互換インク以外にも、純正インクやリサイクルインク、詰め替えインクなどがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。以下にそれぞれのメリット・デメリットをまとめているので、プリンターの使用頻度や使用目的と照らし合わせてみて、自分にはどちらのインクが合っているのか検討してみてください。
純正インクはプリンターと同じメーカーの商品で、それぞれのプリンターに合わせて品質や耐久性などが検証されています。
純正インクはプリンターと同じメーカーの商品なので、それぞれのプリンターに合わせて、品質や耐久性などを検証されています。そのため、プリンター本体のトラブルが起こりにくいのです。
互換インクは1,000円台で購入できるものがほとんどですが、純正インクはどこのメーカーも1本あたり数千円します。これは、プリンター本体ではなく、消耗品のインクで利益を生み出すビジネスモデルが確立しているためです。
家電量販店に並ぶプリンターの値段を見ると、比較的安価で販売されています。メジャーなメーカー(EPSONやCANONなど)でも2~3万円で購入できるものがたくさん。型落ち品やマイナーなメーカーのプリンターだと、数千円程度で流通しているものもあります。
いくらプリンターを安値で購入しても、インクがなければ印刷できません。つまり、メーカーはプリンター本体を低価格で販売しているぶん、純正インクで利益を回収しているのです。
使用済みの純正インクを回収して、中に別のインクを補充したもの。再生インクとも呼ばれています。
純正インクのカートリッジを使用するので、交換してもプリンター本体に影響を及ぼす可能性は低いです。インクは多めに充填されているので、1回の交換で長期間使用できます。
カートリッジの質はメーカーにより差があるので、どれを選んでも安心という訳ではありません。また、互換インクよりも値段は高い傾向があります。
詰め替えインクは名前の通り、空になったカートリッジに自分でインクを補充するタイプ。カートリッジによっては、約3~4回の詰め替えが可能です。
詰め替え用のインクだけを購入するので、カートリッジを購入するより約80%出費を抑えられます。
カートリッジが空になった時は、プリンター本体からカートリッジを取り外し、自分でインクを補充するという作業の手間が発生します。専用の工具を用意して分解する必要があるため、面倒に思う人もいるでしょう。また、インクの補充に慣れていない人は、手が汚れたりインクが跳ねて周りが汚れたりします。